福島の子どもたちの甲状腺検査

Fukushima

福島県が実施している子どもたちの甲状腺検査で、2011~13年度の合計で、112人が「悪性ないし悪性疑い」と判定された。検査結果が確定している対象者の0.0374%で、100万人に374人が「悪性ないし悪性疑い」に該当する計算になる。国や福島県立医科大学は、「現段階では、放射線の影響は考えにくい」との見解だが、低線量被ばくの影響は、長い時間をかけて慎重に見守っていく必要がある。

対象者は、2011年3月11日の時点で0~18歳だった福島県民36万7,685人。2015年3月31日までに、29万9,233人の検査結果が確定している。

一次検査では、結果から調査対象者を、次のA、B、Cの3つに分類する。B判定とC判定は、二次検査の対象となる。

A判定:問題なし
B判定:5.1ミリ以上の結節や、20.1ミリ以上ののう胞を認めた
C判定:甲状腺の状態から、直ちに二次検査を要する

のう胞と結節について、2011~2013年度の「福島県『県民健康調査』報告」(2015年3月、福島県立医科大学)は、次のように解説している。

のう胞は「中に液体がたまった袋状のもの」で、健康な方にも見つかることの多い良性のものです。のう胞の中は液体のみで細胞が無いため、がんになることはありません。数やサイズが頻繁に変わり、多くの方が複数ののう胞を持っています。

結節は「しこり」とも呼ばれ、甲状腺の「細胞が変化したもの」です。結節には良性と悪性(がん)があり、多くは良性です。なお、5.0mm以下でも二次検査を受けたほうが良いと判断された場合はB判定としています。

二次検査の結果、112人が「悪性ないし悪性疑い」とされ、そのうち97人が手術などの治療を受けている。112人の内訳を以下の表に示す。

この結果をどう見るか。検査を実施している福島県立医科大学は「福島県『県民健康調査』報告」で、次のように「放射線の影響は考えにくい」との見解を示している。

福島県内で子どもの甲状腺がんが見つかっていますが、

  • 被ばくリスクが高いといわれる、年齢の低い方の発症が少ない
  • 暫定的に、浜通り、中通り、会津地方間の甲状腺がんの割合に地域差があまり見られていない
  • 福島での被ばく線量が高くないことが分かってきた

といった理由から、現段階では、放射線の影響は考えにくいと評価されています。しかし、低線量の放射線の影響をみるためには、長期間経過を見守る必要があります。

「悪性ないし悪性疑い」とされた対象者が、震災当時6歳から18歳だった点も、放射線の影響を否定する根拠とされている。放射線の影響を受けやすいとされる幼児期の子どもは112人に含まれていなかったからだ。

2014年度からは、2巡目の「本格検査」がはじまっている。これまでの本格検査では、15人(うち男性6人、女性9人)が「悪性ないし悪性疑い」と判定されている。この15人のうち、14人は先行調査で、A判定とされていた。

Source:放射線医学県民健康管理センター