【放射性廃棄物】除染や原発から出たごみ、どこへ

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原発の事故や、除染作業で出た放射性廃棄物や、原発の「核のごみ」はどこへ行くのかー。放射性廃棄物は、放射能のレベルなどに応じて、様々な方法で処理される。複雑な処分の流れを整理した。実際には、さらに多くの工程があるが概略を示している。個別の廃棄物は低線量でも、一か所に集めて焼却などをすると、濃縮され放射能量は高くなる。こうした廃棄物の処分先は、ほとんど決まっていないのが現状だ。

 

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一般廃棄物

原発事故で出た放射性廃棄物のうち、放射能のレベルが1キログラムあたり8,000ベクレル未満の廃棄物は、一般廃棄物と同様に処理される。一部例外があるが、自治体や、廃棄物を排出した事業者が処分することになる。

指定廃棄物

放射能のレベルが1キロあたり8,000ベクレルから10万ベクレル程度の廃棄物は、「指定廃棄物」と呼ばれる。事故後に福島周辺の地域で焼却処分されたごみから、高い放射線量が測定されたが、こうした焼却灰も指定廃棄物にあたる。

指定廃棄物は、ごみ焼却場や、浄水施設、農家の敷地などの一時的な保管場所に集められている。現時点では「仮置き」と位置づけられており、今後、既存の処分場や、新たに建設される長期管理施設に搬入されることになる。ただ、長期管理施設については、建設場所の選定が難航しており、環境省が各地で指定廃棄物に関する説明会を開いている。

除染による廃棄物

除染作業で除去された原発周辺地域の表土なども、放射能のレベルで分類され、1キロあたり10万ベクレル以上の廃棄物は、中間貯蔵施設に搬入されることになる。

低レベル放射性廃棄物

原発や関連施設から出た廃棄物のうち、放射能レベルが比較的低いものが「低レベル放射性廃棄物」と呼ばれている。

放射能レベルが「極めて低い」にあたる廃棄物は、解体した原子炉の建屋などに使われていたコンクリートや金属などがある。研究炉を解体した際に出た廃棄物を素堀りの地中に埋設したケースがある。「トレンチ処分」と呼ばれる処理方法だ。

比較的低い」にあたる廃棄物は、原発や関連施設で使われた手袋などの消耗品、フィルター、様々な廃液などがある。現在は、青森県六ケ所村の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」で処分されている。地中にコンクリートピットを設置して、その中に廃棄物を埋設する。

原子炉内の反応を抑える制御棒など、放射能レベルが「比較的高い」とされる廃棄物は、地下50〜100メートルの地下に人工の構築物を設けて処分する。

使用済み燃料棒の部品など、「放射能レベルが高い」に分類される廃棄物の処分方法について政府は、検討中とされる。

高レベル放射性廃棄物

放射能のレベルが「極めて高い」に分類される廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と呼ばれる。原発の使用済み燃料を、ガラスと溶かし合わせて固めた「ガラス固化体」にする。国は、このガラス固化体を深度300メートルより深い地下に処分する方針だ。この方法は「地層処分」と呼ばれている。

高レベル放射性廃棄物は再処理した当初は、放射線量が極めて高く、熱量も高いため、地層処分の前に30年から50年間貯蔵する施設も必要になる。廃棄物が地層処分された後も、環境への影響が抑えられるまで数万年かかる。

原子力発電環境整備機構(NUMO)の試算によると、2015年末の時点で、廃棄物の量はガラス固化体にして約2万4,800本相当となる見込み。経済産業省は、ガラス固化体4万本を地層処分する場合、約3兆円の費用が必要になると試算している。NUMOが2002年から、全国の自治体を対象に受け入れ先を公募してきたが、自治体や住民の不安は強く、選定は進んでいない。

Source: 環境省放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト原子力発電環境整備機構