サミットと福島 この5年の首脳宣言から

Government

主要国首脳会議(G8またはG7)では、ほぼ毎年、原子力や核問題がテーマとされている。原発事故以降、G8/G7の首脳たちは福島をどのように取り上げてきたのか。会議後に公表される声明をまとめた。外務省によると、この5年で、G8/G7は6回、開かれている。

開催年 名称と開催地 日本の首相
2015年6月 G7エルマウ・サミット(ドイツ) 安倍晋三
2014年6月 G7ブリュッセル・サミット(ベルギー) 安倍晋三
2014年3月 G7(ハーグ核セキュリティ・サミット、オランダ) 安倍晋三
2013年6月 G8ロック・アーン・サミット(英国) 安倍晋三
2012年5月 G8キャンプ・デービッド・サミット(米国) 野田佳彦
2011年5月 G8ドーヴィル・サミット(フランス) 菅直人

2011年

東日本大震災から2ヵ月後にフランスで開かれたドーヴィル・サミットは、日本の危機が主要なテーマとなった。首脳宣言でも、序文に続き、最初の項目として「日本との連帯」を取り上げている。

この年の首脳宣言はこう述べている。「最高水準の原子力安全性を世界的に推進する必要性を含め,必要なすべての教訓をこの災難から得ることを決意する」

3月11日,未曾有の規模の地震と津波が日本を襲い,一万五千人以上の命を奪うとともに,福島第一原子力発電所を含めた大規模な破壊と混乱を引き起こした。未だ十万人以上が住みかを失い,一時的な避難所で暮らしている。我々は,日本の総理大臣に対し,この悲劇の犠牲者へのお悔やみと,ご遺族及び災害により影響を受けたすべての人々への心からの同情を表明した。日本の人々により示された勇気及び尊厳は,人々に称賛と尊敬の念を呼び起こした。同様に,世界中の人々により差し伸べられた支援と連帯は,日本の人々に,暖かさ,強さ,そして希望をもたらした。日本の総理大臣は,G8及び国際社会すべてにより示された寛大な支援と友情への深甚なる感謝の念を表明し,原子力事故を含む試練を必ず乗り越えるとともに,世界に深く関与し,貢献し続けるとの強い決意を表明した。

我々はまた,日本経済の強靭さを確信しており,支援と協力を提供し続ける準備があることを表明した。日本の総理大臣は,原子力事故による影響を含め,世界経済に対して今回の災害が与えうる不確実性を最小化するためにあらゆる努力を行うと説明した。日本の総理大臣は,特に,原子力に関する非常事態について,すべての関連する情報を適時提供することを約束し,日本からの輸出品が安全であることを確保するとした。我々は,物品と渡航に対する措置が科学的根拠に基づくべきであることを強調した。

我々は,日本はこの危機から迅速に立ち直り,より強くなることができると深く確信しており,また,最高水準の原子力安全性を世界的に推進する必要性を含め,必要なすべての教訓をこの災難から得ることを決意する。

2012年

2012年、米国で開かれたキャンプ・デービッド・サミットでは、既存の原子力施設の危険性と安全性について、「包括的な評価を実施」すると宣言した。

日本における津波により引き起こされた原子力事故を踏まえ,我々は,既存の原子力施設の危険性及び安全性に関する包括的な評価を実施し,高い水準の原子力安全を目的として関連条約の実施を強化するためのイニシアティブを引き続き強く支持する。

2013年

2013年、英国で開かれたロック・アーン・サミット。首脳コミュニケ(声明文)は、「原子力安全」の項目で福島原発事故を取り上げた。「世界中で最高水準の原子力安全を達成及び維持することは,引き続き優先事項」とした。96項目の声明の中で、原子力安全は「結び」の前の95番目に記載されている。

東京電力福島第一原子力発電所事故から2年が経過したが,世界中で最高水準の原子力安全を達成及び維持することは,引き続き優先事項である。我々は,国際協力の重要性及び原子力安全に関するIAEA行動計画に対する完全な支持を再確認する。我々は,自国の能力の範囲で及び共同して,引き続き行動計画の実施に最大限貢献していく。この点に関し,我々は,IAEAにおける原子力安全条約の実効性を向上させるための取組を賞賛及び支持し,原子力の緊急事態に係る準備及び対応に関する各国の能力並びに国際的メカニズムに加え他の関連する条約の実施を更に強化する必要性を強調する。

2014年

2014年3月に、オランダのハーグで開かれたサミットは、ウクライナ情勢がテーマだったため、そのほかのテーマについては触れていない。同年6月、ベルギーで開かれたブリュッセル・サミットの首脳宣言は、エネルギーの項目の中で、原子力に触れた。「ベースロード電源として機能するものを含む,低炭素技術(再生可能エネルギー,原子力の利用を選択する国にあっては原子力,及び二酸化炭素回収・貯留(CCS))の利用を促進」としている。北朝鮮の核開発を避難する宣言も盛り込んでいる。福島関連の記述はない。

2015年

2015年6月、ドイツのエルマウサミットの首脳宣言は「高水準の原子力安全の達成」を盛り込み、チェルノブイリの原発事故への対応にコミットするとした。福島の事故については触れていない。

Source: 外務省