放医研、1969~77年の土壌中プルトニウムを分析 原発事故分析の基礎資料に

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放射線医学総合研究所は、おもに1970年代に採取した土壌に含まれる放射性物質プルトニウムを分析した結果、60年代に実施された大気圏核実験に由来することがわかったと発表した。福島原発事故で汚染された土壌の射性物質を分析する際の基礎情報として、利用が期待されるという。

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Guosheng Yang, Jian Zheng, Keiko Tagami, Shigeo Uchida, Plutonium concentration and isotopic ratio in soil samples from central-eastern Japan collected around the 1970s. , Sci Rep. 2015 Apr 16;5:9636 (CC by 2.0)

放医研によると、岩手、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京の1都8県の80地点から、1969年~77年に採取した土壌中のプルトニウム-239とプルトニウム-240の濃度や、同位体比情報を分析した。

この結果、プルトニウムの濃度は土壌1キロあたり0.004~1.46ベクレルで、これまでに国内各地で測定した濃度の範囲内だったという。

同位体比は、自然界の同位体の存在比を示し、発生起源ごとに固有の値がある。80地点で採取したプルトニウムの同位体比は、0.148~0.229の範囲内にあり、平均0.186。この値から、土壌に含まれるプルトニウムは、60年代に各地で実施された大気圏核実験で日本に降下したものだとわかった。福島原発事故などを起源とするプルトニウムの同位体比は次のとおり。

福島原発事故 0.30-0.33
大気圏核実験 0.18
ビキニ水爆実験 0.33-0.36
チェルノブイリ事故 0.41

プルトニウム-239の半減期は2.41万年、プルトニウム-240の半減期は6,560年。今回の分析結果を基礎として、福島原発事故で放出されたプルトニウムの分析が待たれる。
Source: 放射線医学総合研究所